
日本社会の急速な少子高齢化を要因とする労働人口の急激な減少と、高齢者の急増が医療分野に与える影響は深刻である。高齢者の増加に伴い医療サービスへの需要は年々増す一方で、すでに慢性的な不足が叫ばれている医師・看護師の候補である18歳人口の減少ははじまっている。2005年の国勢調査の結果と比較すると、18歳人口は2030年には3分の2にまで減少すると推計されている。一方、75歳以上の高齢者人口は約倍の2266万人になると推計されている。さらに、入院日数の縮減政策によって介護施設や地域社会に医療・介護のサポートを必要とする高齢者が多く存在するようになり、介護施設だけでなく、在宅看護におけるニーズは増大し、看護師不足は病院だけの問題ではなく、社会全体で取り組まなければならない喫緊の課題である。
少子高齢化による問題だけでなく、医療分野特有の問題もある。医療技術や医療機器の革新による看護師の役割の拡大は看護師の労働環境に負荷をかけており、高い離職率(12.4%)で大量生産・大量消費という現象が続いている。また、看護学校や看護大学の定員割れもはじまっており、これに少子化が拍車をかける可能性がある。
日本看護協会は、潜在看護師の復職を促す取り組みや、看護師の労働環境を改善する啓蒙活動などを通じて看護師を定着させる施策に取り組んでいるが、それだけでいわゆる2030年問題に対応できるとは考えられない。潜在看護師の復職、看護師の定着、看護師の養成への取り組みに加えて、外国の人たちに日本の医療現場で貢献してもらう必要が生じていると言えるのではないだろうか。
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