全国の病院では最近、暴言などによる患者のモラル低下のほか、治療費の不払いが問題になっている。特に、未収金の問題は、多くの病院を悩ませていて、不払い分を回収できなければ病院が負担することになるだけに、日本医療法人協会などからなる四病院団体協議会*が2006年12月、保険者である自治体などの肩代わり請求を求めて集団訴訟を起こす動きを見せたほどである。
ある推計では、ここ3年間で未収金が増える傾向になっており、病院によっては経営に影響が出るほどかなり深刻で、なんとか対策を考えなければならない状況である。医療機関の未収実態については、平成17年(2005年)に実施された同協議会の調査によると、
・1年間で約219億円 1病院あたり589万円
・3年間で約426億円 1病院あたり1,145万円
になると指摘されている。
北里大学病院でも未収金の対策を従来から進めており、それなりの実効をあげている。
しかしながら、未収になってからの回収業務が中心で、病院においても限界を感じている。
また、病院経営の事務職における課題に一つに、DPC**対象となった後の診断名の判断を、診断をつける医師に対して的確に履行してもらうことがある。そうでないと、患者に対して正確な請求書が素早く発行できないからである。
本調査分析が意味を持つのは、「未収になりやすい要因を特定し、重点的にかつ優先的に管理すべき請求書はどれなのか」を示すことができれば、限られた人員を投入し、未収を予防することが可能なことである。それには、病院の会計担当だけでなく、事務職と医師側との連携が必要で、病院運営の問題に切り込むことができる。
(注*)四病院団体協議会とは、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本病院会をいいます。
(注**)DPC対象病院とは、DPC(診断群分類包括評価)による医療費の定額支払い制度を導入した特定機能病院(高度な医療を提供する病床数400床以上の病院)のこと


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